●2月23日現在
 ○今季、北海道は、例年より気温が低く、降雪量が多いのが特徴で、マガン越冬環境は近年になく劣悪。気温に関してはここ
   数年
、温暖化ではなく寒暖化傾向が顕著。
 
○現在、北海道新ひだか町静内、新冠町でマガンが越冬中ではあるが、次の移動地となるウトナイ湖周辺の越冬環境調査を
   した。ウトナイ湖周辺、むかわ町周辺共に積雪量が25〜30p。また、ねぐらとなるウトナイ湖、鵡川も完全結氷で、生息条件
  は劣悪。今シーズン、ウトナイ湖周辺への本州からの飛来は、このままでは2〜3週間後と遅れそうな印象を受けた。
 ○早いシーズンであれば、既にヒシクイ、マガン、オオハクチョウなどが数千羽乱舞する道央圏に位置するむかわ町内を巡回
   するが、鵡川河口域は完全結氷。積雪も約30pで、当然、越冬は不可能、マガンは確認できず。
 ○同様に苫小牧市ウトナイ湖周辺を巡回するが、ウトナイ湖は完全結氷。
積雪も約25pで、ここも生息環境は不良で、越冬は
   不可能、
マガンは確認できず。
 ○現在、本州からマガン、ヒシクイ、ハクチョウなどが移動しても、ウトナイ湖周辺は採食不可能、ねぐら取れずで生息不能。
 ○なお、新ひだか町静内よりむかわ町は60km、ウトナイ湖が90kmの距離。

 積雪30pのむかわ町、道路縁には、約60p程度の吹き溜まり。今季の北海道は降雪量が多く、ここも雪解けにはまだまだ時間要する




 ウトナイ湖周辺も積雪25p程度、沼面はご覧のとおりで、結氷。湖面をオオハクチョウがユーモラスに滑りながら歩く

●2月25日現在
 ○午後5時30分〜6時16分まで、2月22日、新冠川中流域、ねぐら確認場所でねぐら入りを待機するもマガンは確認できず。
 ○今日は満月、そして晴天という好条件が重なったためねぐら入りを観察したが、マガンは現れず。要因としては、
   @前回22日のねぐら入りの際、マガンは近くに人がいるのが分かっており、そのため何度か上空を旋回したが、この場所
    を危険と判断、回避した。
   A雪解け水により河川水量が増水しており、地形的に河川内の前回のねぐら片洲が水没しており、数日前よりこのねぐ
    ら場所が使用不能となっていたため、違う場所を選んだ。
     ※@、Aのどちらか。そして、双方合わせての事由も考えられるが分からない。@が確率的に高いかな?
 
○3日ぶりに
新冠町大狩部牧場で、ヒシクイ幼鳥1羽を含む、68羽を確認。当分はここでの越冬が続くと思われる。
 
○今日も。
正午気温-3℃午前6時の気温-9℃、最高気温-2℃と寒く、これで10日連続の真冬日2月下旬にこれだけ
   気温低下するのは、過去18シーズンの越冬中、一度もない。
 ○昨日より、東北、北陸地方には今世紀最大級の寒波襲来。地球温暖化で北極海の氷が溶けたのが原因というが、地球
   はどうなっているの。


 
満月、晴天、無風、気温-4℃という絶好の観察条件にも関わらず、ねぐらにマガンは現れず。月光が眩しく周囲を照らす (撮影18:13)

●2月26日現在
 ○現在、新ひだか町静内より以東、約90km範囲で越冬しているマガン調査実施。区域は、新ひだか町静内浦和・東静内・
   春立、
新ひだか町三石地区、浦河町、様似町、えりも町(襟裳岬まで)が対象調査で、結果、浦河町8羽(6羽+2羽)、様
   似町2羽、計10羽を確認。
 ○本日現在、日高管内越冬個体数は、新冠町68羽(ヒシクイ1羽含)+浦河町8羽(6羽+2羽)+様似町2羽+日高町28羽
   (ヒシクイ1羽含)、計106羽(ヒシクイ2羽含)

 ○今シーズン、一気に賑やかになった。個体数増加は大歓迎で励みとなるところであるが、現状、新ひだか町静内、新冠町
   だけで精一杯。ちなみに日高町(沙流川)〜様似町間の距離、丁度100km。
 ○当初、新ひだか町静内が北海道でのマガン聖域、となればの一心で観察をスタートさせたが、最近は、静内から日高まで
   生息範囲が広まるにつれ、オール日高が聖域となればに、意識が変わりつつある。正直、大変ではあるが、マガンの将
   来を考慮する時、それを望まないでどうすると思う。
正に考えは、時代と共に変化する。

●2月27日現在
 ○本日、午前6時気温-6℃であったものの、正午最高気温2℃まで上昇し、11日間連続の真冬日が昨日で止まる。いよいよ
   春の気配が少し伝ってきた1日。


●2月28日現在
 ○新冠町大狩部牧場からのねぐらへの飛出し方向を確認するため、現地へと向かったものの途中から降雪、そして風吹き
   となり、残念ながら視界不良で調査目的を達成できずに帰宅。
 ○本日も温かな一日、午前3時〜午後6時までの気温は、午前6時の気温1℃正午気温3℃、そして最高気温3℃と全てプ
   ラス
。今季、実に長かった寒気も収束に向かいつつあり。また、融雪も画期的に進む。
  ○新ひだか町静内、山口英芳氏より、平成24年12月17日及び平成25年1月16日、日高町沙流川河口域で越冬するマガン
   28羽(マガン27羽、ヒシクイ1羽)の写真提供がある。
 ○これで情報提供者は17人目このサイトも徐々に、理想的な読者参加型サイト?になってきた。現状、困窮している私
   に数々の善意がこんなに寄せられるとは…。誠に有難い限り、感謝。
●3月2日現在
 ○最低気温-1℃最高気温3℃と更に気温上昇、静内、新冠町共に海岸部沿いでは殆ど融雪し積雪なし状態。
 ○飛躍的に融雪が進行し採食環境改善された結果、3月に入り、2日連続、マガンを確認できず。
 ○本日は、北日本を中心に発達した低気圧の通過に伴い、午後よ風速8〜9mの暴風。午後4時以降、千歳空港の離発着
  便は全て欠航。この強風下では飛翔も危険が伴うので、ねぐらに近い牧草地で採食していると思われる。ということは、明
  日は、天候さえ回復すれば、マガン確認できる確率は高い。

●3月3日現在
 ○天候が回復すれば、マガンの姿を確認できると予測していたが、見事に外れで群れは確認できず。
 ○結論は、これだけ融雪が進み、気温も上昇すれば、マガンも飛翔時間が増え、更に行動範囲も広がるということで、
越冬
   拠点を、より北へと移動したということになのか。

●3月4日現在
 ○午後5時4分、苫小牧市沼ノ端IC上空を海側からウトナイ湖へ向かうマガンと思われる150200羽の群を確認。群れは
  大きく3つに分かれており、一つの群れの個体数が
100羽前後で、残りの二つはその半分くらいに見えた、とPCの加藤さん
  より情報提供あり。

 明日、むかわ町方面へと向かい調査するので、実態が判明すると思われるが、新ひだか町静内(新冠町)での越冬組は、
   当地での越冬を終了し、むかわ町、ウトナイ湖方面に移動した確率が高い。

●3月6日現在
 ○3月1日以降、新ひだか町静内、新冠町でマガンが確認されていない。しかし、本日午後1時57分、日高町で約1000羽。
  午後2時52分、
むかわ町で約500羽のマガンを確認したことから、18シーズン、新ひだか町静内でのマガン越冬は終了し
  たと判断せざるを得ず。
 ○ここ数日、更に新ひだか町静内、新冠町内を調査、そのうえで確認できなかった場合は、終息宣言を行う予定。
 ○本日現在、ウトナイ湖では、まだマガンは確認されていない様子。

 ビニールハウスの上を次々と移動するマガン。しかし、個体数は500羽程度で、今後、日増しに増えていく(むかわ町田浦)

●3月8日現在
 ○苫小牧市ウトナイ湖でマガン8羽が確認され(ウトナイ湖サンクチュアリ)、この今春、初認。気温の上昇と共に、この後、
   本州からの移動組が押し寄せ、つるべ落としで個体数が増えていく。(苫小牧市植苗地区、本日最低気温−2℃、最高
   気温3℃)