今シーズンの特徴






●12月9日現在
  ○ウトナイ湖サンクチュアリからの情報では、夕方より千歳市、苫小牧市は猛吹雪に見舞われ、ウトナイ湖でも30pの積雪となり

   新千歳空港が閉鎖されるほど。また、ウトナイ湖も9割方結氷し、今朝方、美々川河口域からかすかにマガンの声がしていたが、
   昼頃より鳴き声も聞こえず。従って、本州、新ひだか町静内などへと移動した可能性が高い。
  ○昨シーズンは、12月5日現在でマガンがいなくなったが、今シーズンもウトナイ湖からの移動は早いのか。

●12月16日現在
  ○日高町富川東地区(沙流川河口域)で、日高振興局環境生活課自然環境係長より、マガン約400羽程度を確認したと情報提供ある。

 12.16、PM14:45、日高町富川東地区、沙流川河口域付近で採食するマガン群れ(写真で確認できた個体数225羽)。静内へと移動2日前の貴重な写真 (日高振興局環境生活課提供)

●12月18日現在
  ○本日より、新ひだか町静内で18シーズン目の越冬開始。Y地区で約250羽のマガンを確認。
  ○今朝、新冠町全域、日高町厚賀町全域にマガン確認情報依頼のチラシを2,440枚、北海道新聞朝刊に新聞折り込みする。
  ○11時8分、新冠町山岡牧場でマガン83羽を確認。
  ○9時、大群をY地区牧夫が確認。12時20分、Y地区でマガン163羽を確認。
  ○12時35分、新冠町山岡牧場ではマガンは確認できず。
  ○午後4時05分、Y地区で約250羽のマガンを確認。
  ○16:30、全羽が、ねぐらとなる静内川中流域へ向け飛び立つ。
 

●12月19日現在
  ○日高町富川東地区(沙流川河口域)に行き、現地を確認するが、積雪多く採食不可能。マガンは確認できず。

●12月20日現在
  ○12月13日〜16日まで、4日間連続して降雪。19〜20日までは連日マイナス3〜8度。発達した低気圧配置、また上空に寒気団
    が居座っており、新ひだか町静内、12月の天候としては異例の荒れた天候が続く。
  ○基本的に83羽と残り約170羽との二グループに分かれて行動することが多い。
  ○まだ新ひだか町静内へ移動したばかりなので、大変、警戒心が強く、直ぐ上空へと飛び上がることが多い。

●12月22日現在
  ○日中は小雨、みぞれが降る久々に暖かな一日。牧草地も相当に融雪し、採食環境は良好。
  ○今日だけで3件のマガンに関する電話情報を頂いた。誠に有難く感謝。(静内1件・新冠町2件)
  ○Y地区、大狩部地区では1羽もおらず。
  ○新冠町西泊津地区に93羽。高江地区に48羽と合計141羽を全て新冠町内で確認。
  ○午後4時40分、新冠町西泊津地区から8羽がねぐらへと向かった方向は、静内川河口域で新冠川には向かわず。

●12月23日現在
 ○今シーズン、マガン渡来6日間の特徴は、新ひだか町静内、新冠町共に約20pと積雪多く、気温も連日マイナスであるため、牧
  場の牧草地で採食環境が極めて悪化。
 ○マガンは、新ひだか町静内へと来た早々、いきなり厳しい採食環境と向き合うことになり、体調管理に必要な餌の確保必死で、
   抱えるストレスも相当。結果、1〜2時間単位で、次々と採食地を移動、同一場所での採食は殆どない。
 ○従来、群れでの行動が基本であるが、今シーズンのこれまででは、5〜6羽から50羽、そして100羽程度と、想定できないほどの
   グループに分かれ、それも日替わりで変化する。この原因は、採食環境が厳しいからなのか、他の理由によるものなのかは不明
  いであるが、今後の行動を観察していくうちに判明すると思われる。
 ○Y地区〜22日は1羽もいないが、今日は52羽を確認。また、昨日新冠町西泊津地区小田牧場に52羽がいたが、本日はY地区で
  52羽を確認するなど、日替わりで群れごと移動している。
 ○新冠町西泊津、西村牧場分場〜10:03では確認できなかったが、1時間後の11:16には同一場所で21羽を確認。
 ○新冠町大狩部、大狩部牧場では、8:00には約30羽を確認するが、10:57、7羽を確認。20羽以上が他の採食地へと移動。
 ○今日も3件のマガンに関する電話情報を頂いた。誠に有難く感謝。(新冠町3件)

●12月24日現在
 ○本日、大発見有。午後2時38分、厚別川堤防から、新冠町共栄地区から日高町豊田地区へと高度を上げ移動するマガン29羽を
   確認。想定外の場所、そして飛行高度などに驚く。相当の広い範囲でマガンが採食地を広げ、広範囲に移動していることが分かる。
 ○本日、初めてのメールによるマガン情報提供が有り、静内田原地区住民の方から、毎朝、午前6時20分頃、ねぐらとなる静内川
   中流域よりマガンが一斉飛び立ち、個体数は昨日約50羽、本日約100羽程度。感謝。電話情報も新冠町民から1件で、連日の情
   報提供に有り難く思う。昨シーズンは殆どリアクションがなかったが、今シーズンはチラシ効果は絶大。
                         
●12月25日現在
 ○大陸からの強い寒気に襲われている影響で、この日旭川市江丹別気温−29.7℃、滝上町気温−28.6℃と全道的に酷寒日。
 ○静内も雪が降ったり止んだりの1日。午後3時過ぎから風吹。最高気温-3℃と寒い日が続く。
 ○本日確認個体数8羽。連日、日替わりで採食地が変化。
 ○本日も降雪約10p、12月これだけの降雪、積雪はここ数十年なかったように記憶する。マガン採食環境は劣悪。限界に近い。



●12月26日現在
 ○全国的に発達した低気圧の影響で、暴風、積雪など大荒れの天候。新ひだか町、新冠町も同様で、昨晩からまた約10pの降雪。
 ○新ひだか町静内、新冠町共に積雪約30pに今日の降雪でプラス10pと、採食環境がさらに劣悪。
 ○静内駒場、昨シーズンよく採食地として利用した北斗開発測量横牧草地に14羽を確認するなど、マガンは少しでも採食環境の良
   好な場所を求め、また大量に採食が出来ないため、小さな群れとなり、次々と採食地移動を繰り返し行動に出ている。
 ○日中気温、連続−7℃で、今日も酷寒の1日。
 ○いつまで続く、この悪環境、日高地方での越冬も限界に近づいており、このままでは日高での越冬放棄の可能性も出てきた。

●12月28日現在
 ○目名橋でマガンねぐら入りを午後4時30分以降待機するが、1羽も確認できず。
 ○12月24日早朝、約100羽が静内川中流域よりねぐらより飛び出しているが、この日以後、ねぐらは静内川中流域以外の場所へ
   と移動した模様。


 ●12月29日現在
  ○9:17〜16:32まで、北斗開発測量横牧草地で採食する38羽を確認。今日は、日中気温が−1℃まで上昇し、暖かな1日となり
   採食環境さえ整えば、採食地移動はしないという典型。
  ○12月21日以来、8日振りにB地区を調査9羽を確認したが、採食環境は、まだ地表部が凍結しており採食には不向き。しかし、
   相当本日の暖気で融雪したと思われる。
             
●12月30日現在
  ○厳寒だった昨日までの天候とは違い、最高気温7℃、日中全てプラス気温、1日中の降雨と想定外の暖気と雨量で各所で一気
    に融雪が進み、採食環境は一気に改善。誠に喜ばしいこと。
  ○厚別川河口域、開水面が広がる。
  ○昨日に引き続き、北斗開発測量横牧草地で終日採食。今日は34羽と昨日より4羽少ない。
<2013>
●1月3日現在
  ○本日は、いつもの場所でマガンは確認できなかったものの、安定期に入ったと思われ、降雪量の増加等、採食環境が激変しな
    い限り、このまま48羽は、Y地区を中心とするゾーンで採食し、生息すると推測。
  ○しかし、午後3時30分頃、新冠町高江高江牧場に約30羽程度のマガンが牧草地で採食しているのを牧場の方が発見、電話情
   報して頂いた。その後、写真を撮ろうと近づいたら上空へと飛び上がり新冠川へと飛翔したとのことで、
昨晩の降雪で採食環境
   が変化、より採食しやすい場所を探した結果と思われる。この付近での確認は、2度目。(今シーズン情報提供者〜7人目未)
  ○12月18日、マックス約250羽をカウントしており、残りの約200羽は、どこへと消えたのか。新ひだか町静内以外の、新冠町、日
    高町での生息が一つ。そして、本州へと移動したという説と2つが考えられるが、まだ、日高地方のどこかで越冬している可能
    性が高く、調査する必要があるが、何分一人では限界があり、残念ながら当分、姿を現すのを待つ以外なし。
  ○ねぐらについては、静内川中流域より他の場所へと移動したと思われるが、静内川河口域なのか、新冠川なのかは不明。厚別
    川は、今現在では採食地の関係から考察するとないと思われる。

●1月5日現在
  
午後3時17分、新冠町高江、隆栄牧場でオオハクチョウと一緒に採食するマガン14羽をT氏の奥様が確認。同時に携帯で撮影
    した画像4枚も送って頂き、早速採用、サイト上にアップする。
  ○今日は、18年の長いマガン
観察
歴史の中でも、住民の方から初めて画像まで頂いた記念すべき1日となる。感謝の一言!
  
○連日の真冬日で、1月3日、午前6時気温-15℃、正午気温-7℃、最高気温-6℃。本日も午前6時、最低気温が12-℃と温暖な
    日高地方、新ひだか町静内では年間で最も低い気温。1年を通し気温-15℃まで下がるのは一度あるかないかで、今シーズン
    は12月から現在まで、いかに冬型気圧配置による寒冷現象が続いているかということ。
  ○降雪量も極めて多く、12月から連日の真っ白い雪景色という光景も従来はあり得ず、気候変動の一端を物語る現象で、一体、
    いつまで続くのか。

 
 ○採食環境は、少し改善されつつあるとは言っても、まだ気温が連続マイナス日で、雪原表面はカチカチ状態。少しでも採食地と
    して良好な場所を探しながら新冠町内を中心に移動を繰り返していると思われる。

  
○12月以降、まだ採食地は一定せず、いかに採食環境が劣悪であるかが分かる。
                

●1月6日現在
  ○13:10、新冠町高江地区、隆栄牧場で16羽を確認。
13:20北斗開発測量横牧草地で48羽確認。計64羽が越冬していることが
   判明。隆栄牧場に来た16羽は48羽とは別行動の様子。また、この群れのねぐらは新冠川と思われる。
  ○新ひだか町静内で昨夜より約8pの降雪となったが、新冠町高江は若干、新冠町大狩部は全くなしで地域より降雪量が違って
   いた。
  
正午気温-3℃。日中の気温-4℃〜気温-7℃と寒く、道路面もつるつる状態で、今日も寒い1日となる。
                 

●1月7日現在
  
○今日は、未確認個体の確認のため、新ひだか町静内より南側を調査する。
  ○
新ひだか町静内、浦和、東静内、春立、東別。そして、三石地区は、蓬莱、富沢、豊岡、西端などを巡回するが、マガンらしきも
    のは確認できず。また、積雪もかなりで採食環境的には、越冬できるものではなく、ここにはいないと判断せざるを得ず。
  ○今シーズンの積雪量が例年より多いが、雪質が例年とは違いパウダースノーが多く、これだけ上質の雪が降ること自体、例年に
    はないことで、年間に一度あるかないかの事象が連日の降雪となっていることに着目。すなわち、厳冬である証なり。   


●1月8日現在
 
むかわ町一帯(春日、田浦、豊城地区等)を午前8時より正午まで調査するが、マガンは確認できず。積雪は新ひだか町静内より
   少なく意外。採食はぎりぎりセーフであるが、ねぐらとなる鵡川は完全結氷で不適。
 ○昨日は、新ひだか町静内より南側、そして本日は北側のむかわ町を調査するが、確認には至らず。 まだ、他の群れは何羽がど
   こで越冬しているのだろうか。
それとも本州へと移動したのか。
 ○午後1時5分、新冠町、隆栄牧場上空を東より西方向へ通過するマガン23羽をT氏の奥様が確認。本隊は午前7時より、終日、46
   羽が北斗開発測量横牧草地で採食していたので、別の群れが別行動で新ひだか町静内、新冠町内を移動していると思われる。
 
○むかわ町は、新冠町大狩部程度の積雪で、新ひだか町静内より少なかった。
 
●1月9日現在
 ○新冠町高江地区、M宅上空を15〜16羽のマガン飛ぶのをMさんが確認したと電話で情報提供あり。(8件目情報提供者)
 ○Mさんまの話しでは、1月2日、20羽程度プラス20羽程度の2グループが、午前10時頃、新冠川河口域方向よりヤマタケ牧場方向
  へとマガンが飛んでいったとのこと。また、今シーズン、何度かマガンが自宅上空を往来するのを確認。
 ○今日は、早朝から北斗開発測量横牧草地では確認できず。10時、
新冠町、高江地区、泥火山下の牧草地で採食するマガン12羽を
   確認。相変わらずに群れ行動は不定期で落ち着きなし。

 ○現在、新ひだか町静内、新冠町で確認されているのは48羽+25羽+16羽=89羽の3グループで、採食地、ねぐら共に同一場所
   なのかどうかも予測がつかず。また、相変わらず行動が不規則、不安定で新ひだか町静内、新冠町内を転々し、住所不定?

●1月11日現在
 ○本日、どこにもマガン確認できず。
 ○ねぐらも、新冠町・駐車場公園、日高町・厚別川河口域で飛び出し。夕方は厚別川(河口域・厚別橋)で待機するが、確認できず。
 ○新冠町、大狩部、隆栄牧場、山岡牧場、H地点、B地区、北斗開発測量横牧草地、Y地区、その他新冠町、新ひだか町静内を巡回
  するが、確認できず。
 ○気温〜正午気温-3℃。午前6時の気温-11℃、最高気温-3℃。新ひだか町静内、8日連続の真冬日
 
●1月12日現在
 ○本日も真冬日ではながら、気温が昨日までと比較し2〜3-℃上昇、少し寒さが揺らいだ感がする。
 ○若干程度の融雪により、新たな採食地が増えたことにより、今後、マガンの行方は益々、分からなくなるのか?

●1月13日現在
 ○日高振興局、小畑氏が、午後2時以降、日高町、沙流川左岸(富川東地区)牧草地で採食するマガン27羽、ヒシクイ1羽を発見。
   猛禽類が来ると沙流川支流オコタン川に避難、飛び去るとまた採食を開始するのを繰り返すのを確認。今季、大発見の一つ。
 ○新ひだか町静内、新冠町以外の群れとは別に越冬しているのが確認される。
 ○1995年、新ひだか町静内でマガン越冬開始以来、ウトナイ湖以外の河川流域で採食が確認されたのは、静内川、新冠川、厚別川、
   鵡川、元浦川、様似川、日高幌別川で、沙流川がこれに加わった。

 ○新ひだか町静内でマガン越冬開始以来、静内川、新冠川、厚別川、鵡川以外の河川で

 ○昨日、そして今日と越冬中のマガン24羽が新冠町泥火山でマガンが採食する。ここでの採食活動は2006年(越冬11シーズン)以来、
   実に8年ぶり。つまり、今シーズンは8年ぶり大雪ということになる。
 ○様似町様似川河口域で、マガン2羽(内1羽は成鳥、もう1羽は不明)が越冬している模様。現在、個体が確認されたということは、越
   冬しているという証拠。近日中に確認したい。なお、オオハクチョウ175羽が確認されたとのこと。今シーズンは越冬個体が多く驚く。
   浦河町S氏よりデータ提供 (9件目情報提供者)

●1月16日現在
 ○午前10時20分、新冠町、大狩部、カフェ椿前で太平洋から飛翔、海岸部より陸路へと飛翔ルートを変更する48羽を、確認、撮影でき
  たのは、偶然とはいえ全く幸運だった。
 ○太平洋岸を苫小牧市方向から飛翔して来たことの検証、
  @採食地・ねぐらをむかわ町(鵡川)、日高町富川地区(沙流川)まで拡大、越冬している。
  A越冬拠点を新冠町に置いているが、むかわ町、日高町富川地区まで越冬環境を偵察に行き、帰ってきた。
  B新冠町〜むかわ町・日高町富川地区を繁盛に往来して越冬している。
 ○3日連続、新ひだか町静内、新冠町内で採食するマガンを確認できなかったということは、上記載の3項目、全てに可能性がある証。
 ○今シーズン、越冬実態は益々混迷を深める。また、48羽以外の約200羽はどこに。観察歴18シーズンの私も、現在は、分からない。

       

●1月18日現在
 ○早朝、ねぐら飛び出し調査で、新冠川中流域よりの群れ23羽+63羽、計86羽が確認される。また、これとは別の群れ46羽
   も大狩部牧場で確認されており、この日現在、132羽が新冠町をベースとし越冬していることが判明。今季、越冬拠点は完
   全に新冠町となった。
 ○新冠町132羽、浦河町6羽、様似町2羽、日高全体越冬数計140羽

●1月19日現在
 ○早朝、ねぐら調査で、日高町沙流川支流オコタン川合流部でマガン・ヒシクイ群れ28羽(マガン27・ヒシクイ1)の存在を確認。
   北海道マガン18シーズン目にして初めて日高町沙流川でのねぐらが確認される。
 ○ついにその日がやって来たという印象で、徐々に越冬拠点を北へと移動されているマガン行動の象徴的な事象。今シーズン
   最も価値ある発見になると思われる。

●1月20日現在

 ○1月5日より続いていた真冬日は、本日正午気温2℃となり、連続15日間でストップする。記録的な寒さは数値でも現れている。
 ○新冠町武田牧場さんより電話情報有り(9人目情報提供者)
 ○長かった寒気もようやく一段落した感がある。

●1月21日現在
 ○むかわ町内、鵡川の環境を調査するが、採食に関しては厳しいが可能。しかし、ねぐらは海岸部の鵡川流域まで結氷しており
   ここでの越冬は現在では不可能。


●1月22日現在
 ○浦河町東幌別地区で、マガン6羽(A1・J5)が採食しているのを浦河町川村氏が確認、写真提供して頂く。1月16日にも見てい
  ることから、今シーズン浦河町で6羽が越冬していることが判明。様似町様似川2羽と併せ計8羽が、静内より東の地域で越冬
  していることになる。

 ○新冠町大狩部牧場さん、新冠町泉さん、浦河町川村さんの3件より、電話情報有り。また、川村氏からは写真まで提供され深
   く感謝。
 

●1月23日現在
 ○日高町沙流川左岸、支流オコタン川合流部付近を調査するがマガンは確認できず。しかし、ねぐらとなっている場所は確認で
   きた。実際に行ってみると、小河川なのになぜか結氷しておらず、小群であればねぐらとして使用可能場所であった。
  マガモなどカモ約50羽、オジロワシ1羽、アオサギ1羽を確認。
 ○日高町豊郷・山根氏より、マガンの電話情報があった。今シーズン、マガン生態調査協力者はこれで13名となり、この方々が
   あり、正確な把握が可能となっている。


●1月24日現在

 ○12月以降、かってない寒気と例のない降雪量にも見舞われた新ひだか町静内、新冠町も1月20日以降、徐々に暖かくなりつ
   つあり、最高気温も2℃まで上昇するようになり、採食環境は格段に改善の兆しを見せ始めた。
 ○これだけ採食環境が良好となると、益々、新ひだか町静内へと戻る確率も低くなり、採食のための移動活動も活発化されると
  思われる。
 ○連日、往復30kmの距離にある新冠町大狩部牧場まで通っているが、片道40km、日高町沙流川左岸(富川東地区)までは距離
  もあり、必ずマガンを観察できのであれば苦にならないが、姿なきものを毎日探し回るのは大変、今後の観察が思いやられる。

●1月25日現在
 
○発達した低気圧の通過に伴い、昨晩より湿った雪で降雪量は静内では滅多にない15p。しかし、午前中、雨、そして暖気で新
   ひだか町静内、新冠町共に融雪も進み、採食環境はギリギリでセーフ。
 ○気温は、正午現在で3℃午前6時の気温2℃、最高温3℃と、日中はプラスが続く。
 ○豪雪で、マガンどこにも見当たらず、どこにいるのか見当つかず。
と考えていたら新冠町大狩部・古川氏より、大狩部牧場にい
   るとの電話情報有り。早速、出かけ48羽を確認する(14人目情報提供者)

●1月26日現在
 ○本日、48羽が終日、北斗開発測量横牧草地で採食するのを確認。この48羽は前日、新冠町大狩部牧場で採食していた個体数
  と同数で、昨日の大雪で移動したものと思われる。
 ○このことは、越冬マガンは、新冠町大狩部牧場、そして新ひだか町静内、北斗開発測量横牧草地とその距離15km間を往来しな
  がら越冬していること意味し、今シーズンの越冬状況を象徴する事象。
 ○本日も、降雪量は多くはないが、終日雪模様。しかし、今シーズンは寒い冬そのままに雪質が粉雪で、これ程の粉雪は冬も温暖
  な新ひだか町静内では珍しく、積雪量、雪質共に、ここ30年間ではなかった現象。
 
●1月27日現在
 ○終日、新ひだか町静内より東方面の新ひだか町静内浦和〜春立、新ひだか町三石地区、浦河町、様似町を調査。マガン4羽を
  確認した。
 ○浦河町東栄地区で、オオハクチョウ群れ46羽と一緒に採食するマガン幼鳥2羽を確認。
 ○様似町様似川河口域で、オオハクチョウ150羽と一緒に採食するマガン2羽(成鳥1羽・幼鳥1羽)を確認。
 ○今シーズン、新ひだか町静内・新冠町以外で越冬個体数は、これで浦河町6羽(成鳥1羽・幼5羽)+幼鳥2羽=浦河町8羽(成鳥
  1羽・幼7羽)。様似町様似川河口域で、マガン2羽(成鳥1羽・幼鳥1羽)の計マガン10羽(成鳥1羽・幼9羽)となる。新ひだか町静
  内以外でも、越冬する個体数が増加傾向にあり、今後、更に増える可能性が高い。
 ○浦河町東栄地区では過去にも2度越冬したこと有。また、様似川河口域では初めて。しかし、様似川河口域は水深浅く、水の流
   れも穏やかで、オオハクチョウ150羽の他、カルガモ、マガモなどカモ類も多く、水鳥が生息するには環境的に適する場所。
 ○昨夜来より、発達した低気圧の通過に伴い再び15p程度の降雪となり、一面雪野原。それにしても、今シーズンの降雪量はここ
   30年で最も多い。

●1月28日現在
 ○昨日は、新ひだか町静内、新冠町内でのマガンは確認できなかったが、本日、3日ぶりに48羽が新冠町大狩部牧場で確認される。
 ○最近、48羽は新冠町大狩部牧場が採食地ベースとなっている。

 
 午後4時1分、大狩部牧場で採食するマガン。積雪量が多いため、腰を落とし地表に這いつくばっての採食

●1月30日現在
 
○午後2時6分、新冠町大狩部、カフェ椿上空をマガン48羽が東方向より西方向へと通過。
 ○1月16日、午前10時20分には、西から東方向へと同じく48羽がカフェ椿上空ほ通過しており、方向は正反対であるが、ここは
   陸上と海上との針路変更交差点となっていることが判明。
 ○この後、大狩部牧場へ移動するためにのコースを取ったのかと確認したく、大狩部牧場で待機、また、牧場を調査するが群
  れは確認できず
 ○新冠町採食地より日高町採食地へと移動する際、ここのコースを移動するものと思われ、現在、採食地は新冠町と日高町
   (場所不明)を頻繁に移動していることを明確にした事象と判断。

●1月31日現在
 ○ここ二週間の傾向として、48羽は新冠町大狩部牧場、24羽は新冠町泥火山をベースの一つとして採食を行っている。しかし、
  終日、ここで採食を続けることもなく、約半日単位で他の場所に移動させており、この行動も今までにない新しいパターン一つ。
 ○新冠町大狩部牧場は、午後からの飛来が多く、午前中の採食地は確定していないが、日高町と推定される。