【越冬期間/平成27年(2015)11月30日〜平成28年(2016)2月20日】 <(83日間>
平成7年12月、それまでの越冬北限であった宮城県伊豆沼より約400kmも北に位置する新ひだか町静内
(当時:静内町)で、マガンが越冬を開始して今シーズンで21シーズンが終了した。
今シーズンはいきなり500羽もの大群が日高地方で越冬、その中にはハイイロガン、シジュウカラガンも含
まれており、これらのガン類が無事越冬出来るよう観察、撮影等を行った。
越冬行動については、ガン類行動を広く普及、啓発することが最終的に保護活動に繋がる、との一念で昨シ
ーズンまで日々情報更新、20シーズン継続してきた。しかし、今シーズンのように個体数の飛躍的増加、さら
には数年に一度程度という迷鳥ハイイロガン、絶滅危惧TA類シジュウカラガンが含まれている状況下でその
状況を日々発信することは無事越冬という課題とは相反する事態と判断。
従って、今季越冬行動の報道機関への情報提供も国内での行動が終了する直前の4月下旬、5月上旬とし
越冬にストレスのかからないよう努め、このコーナー掲載も5月中旬(17日)とし、越冬場所となるねぐら、採食
場所等の詳細公表はしないこととした。
越冬22年目以降は、個体数、種別、越冬場所となるねぐら、採食地等は当然のことながら予測がつかないが、
今季状況を考えた時、情報の発信行為は必ずしも保護活動に繋がるとは思えず、逆にそれが大きな支障にな
りかねない側面も抱えており、越冬詳細は差し控えるべき考えており、越冬終了後に結果のみ発表することとし
たい。
なお、日高地方での越冬については北海道日高振興局をはじめ、札幌市、千歳市、苫小牧市、新ひだか町静
内などの観察者、報道機関など多くの関係者のご協力により越冬行動中のブログ、フェイス・ブック等発信、報
道について自粛するよう協力を要請お願いしたが、ハイイロガン国内2例目の越冬をはじめ総勢503羽のガン
類が無事越冬という結果となり、深いご理解、実践行動に改めて心より御礼を申しあげる。
※公表は自粛するが、今後もガン類観察は生態解明、地球温暖化等の一助となるべく継続します。
11月30日、約500羽のガン類と遭遇、ど肝を抜かれた
12月20日、採食地から上空へと飛び上がったガン類。個体数が多いと迫力が違う
越冬したハイイロガのミニチュア、左側からオス、幼鳥、メス。国内では貴重品
シジュウカラガンは、初めは10羽だったが最終的に越冬したのは3羽となった