平成7年(1995)、北海道でマガンが越冬を開始してから21シーズン、過去に今季ほど越冬
パターンに大きな変化をみせたシーズンはなく、生態的に越冬今季初確認という事例が多く
学術的にも収穫の多いシーズンとなった。
先ずは、越冬個体数が一気に増え過去最高の198羽を大きく上回る500羽を超え、一斉に
上空へと飛び上がる様は実に壮大である。個体種別では、マガン494羽、ヒシクイ5羽、シジュ
ウカラガン3羽、ハイイロガン1羽と4種類、個体数、種類共に従来越冬パターンを大きく塗り替
え、ハイイロガンに関しては迷鳥、珍鳥の部類で北海道では7例目の確認例、国内越冬に関
しては私の調べる限り2例目越冬となった。では、なぜ個体数を含めこられの事象が見られたのか、これには二つの要素がある。その
一つは比較的気候が安定、温暖な気温、豪雪が一度もなく昨シーズンのような爆弾低気圧が
一度も襲来せず採食環境が極めて良好であったこと。
もう一つは未収穫のトウモロコシ畑が有り、500羽超えの大きな群れを賄うだけの食糧が
確保できたことである。
地球温暖化に起因、平成7年(1995)、マガン越冬北限を宮城県伊豆沼から一気に400km
北に位置する新ひだか町静内に移動させ21年が経過したが、地球温暖化現象は歯止めがか
からない。
全国マガン越冬数の8割が伊豆沼に一局集中しながらも本州での越冬地拡大は物理的に
環境が難しい。そんな中、越冬地一部を北海道へと移動させることへの一里塚となったので
あれば嬉しい事例となった。
平成28年1月3日、新年早々ガン類にご挨拶に伺ったが、直ぐにどこかへと飛び去って行った。いつものことながらガン類たちは気まぐれ
平成28年1月23日、採食地から次の採食地へめがけ飛び上がるガン類
平成28年2月18日、本州やって来たマガン羽今季第一団