● クロエリハクチョウ Black-necked Swan

 

<概要・生態>
  その名のように頭、首が黒いハクチョウ。南アメリカ南部のパタゴニア(アルゼンチン、チリ)やフォ
ークランド諸島などの淡水の湖、湿地、干潟に生息する。
 南米に生息する水鳥では最大の種であるが、ハクチョウの仲間では最小の種の一つ。このような容姿を
しているが、コクチョウとハクチョウの雑種ではない。コクチョウとコブハクチョウの雑種は濃い灰色をし
てい


<国内飼育先>
 ●山口県宇部市・ときわ公園
 ●神奈川県横浜市・市立金沢公園




  
  ※7種の中には入っておりませんが コハクチョウの亜種でアメリカコハクチョウ
    という種があり、個体数は僅かですが国内に渡来します。
    日本では確認される例が少ないため、ハクチョウファンには人気の野鳥で、
    1羽が越冬するだけで全国からバード・ウォッチャーが駆けつけます。 

アメリカコハクチョウ Coscoroba Swan W47~48㎝


 (撮影地~北海道新ひだか町静内・静内川河口域)

<概要>
   コハクチョウの亜種に属する。身体は、コハクチョウより少々大きいが見た目は殆ど変わらない。くちばしの黄
 色い部分がほとんどなく大部分が黒いのが特徴で、コハクチョウの一亜種とする他のハクチョウ同様に群れで生
 息するが、日本では通常、数羽 程度しか確認されない希少種である。
  北海道新ひだか町静内・静内川をベースに平成元年より平成11年までの11年間、北海道日高支庁管内の浦
 河町、様似町などで越冬した。
  国内渡来地では、岩手県北上市・北上川流域の大堤、福島県東村・阿武隈川にまとまった数が飛来する。

<生態>
  越冬地での生態は、湖や沼、大きな川、河口、内湾などで生活し、コハクチョウとよく似ている。家族群を単位
 とした群れで生活し、水草を主な餌としている。水面から飛び立つ時は、水面を蹴るように10数メートル助走し空
 へと舞い上がる。
  休息する時は、長い首を背面に折り曲げ、頭を背中の中に入れていることが多い。警戒すると首をいっぱい伸ば
 し、辺りの様子をうかがうのは、マガンなどと同様である。
  繁殖地では、湖の浅瀬や水辺の地上に、枯れ草や藻類で火山のような円錐形の大きな巣を作り、3~5個の卵
 を産む。抱卵日数は29~30日程度である。

<声>
   オオハクチョウより似ている声ではあるが、「コホツ、コホッ」と短めに鳴くことが多くオオハクチョウほど、うるさく
 鳴かない。飛翔中は「コォー、コォー」という声を出す。

<見分方法>
   コハクチョウより身体が小さく、くちばしの黄色部分がオオハクチョウより小さい。しかし、このくちばしの形状パタ
 ーンが色々あるので、個体の識別にも使うこともある。


 



  
※ハクチョウ属ではありませんが、カモハクチョウ属に分類されるカモハクチョウという野鳥もおります。



● カモハクチョウ Coscoroba Swan W47~48㎝


<概要>
  一見、ハクガンのような雰囲気をしている。繁殖期はアルゼンチン南部やチリ南部などの南アメリカ南部
で生息するが、冬季はより温かなアルゼンチン北部、ウルグアイ、ブラジル南部、パラグアイなどへ北上し
越冬する。
 全身の羽根は白く、翼は短く幅広く、外側初列風切の先端が黒い。尾羽は短く丸みを帯びる。嘴は幅広く、
ピンク色。水かきが発達しており、後肢の色彩はピンク色。
 オスの成鳥は虹彩(角膜と水晶体の間にある薄い膜。瞳孔の大きさを調節して網膜に入る光の量を調節する)
が赤や黄色で、幼鳥やメスの成鳥は虹彩が暗褐色である。
 その鳴き声から「コスコロバスワン」と呼ばれている。

<生態>
 湖沼に生息する。非繁殖地では200-300羽に達する大規模な群れを形成することもある。植物食傾向の強い
雑食で、主に水生植物や種子を食べるが昆虫、甲殻類なども食べる。水辺や浅瀬を徘徊し、採食を行う
 浅瀬にヨシなどを積み重ねた巣を作り4-7個(平均6個)の卵を産み、抱卵期間は約35日である。

<国内飼育先>
 ●福岡県大牟田市・大牟田市動
物園(国内では、ここだけに飼育されている)