第30回全国中学校ソフトテニス大会



 開会式が行われた新潟勤労者総合福祉センター



   1・2年生で優勝候補を敗り三位入賞
       
   第30回全国中学生ソフトテニス(平成11年度全国中学校体育大会)大会は、「新潟の熱い
 大地で今咲かそう、磨いた技と大きな友情」をキャッチフレーズに、平成11年8月17日〜8月
 19日、天皇胚・皇后杯全日本総合選手権大会などが度々開催されるソフトテニスの盛んな新
 潟県で新潟市庭球場を会場とし、強烈な日差しが降り注ぐ暑さの中、開催された。

   大会には、全国の予選を勝ち抜いてきた男子16校、女子16校の合わせて32校がエントリ
 ーし北海道からは、男子は札幌市・新川中学校、女子は静内町・静内町立第三中学校が3年
 連続での出場となった。

  男子は残念ながら一回戦で近畿/滋賀県代表の八幡中学校に1−2で一回戦負けとなつた
 が、女子は1年生、2年生で編成するチームながら、北海道特有のチームワークの良さと団体
 戦に強い伝統を受け継ぎ、一回戦、
関東/埼玉代表の越谷市立大相模中学校を1−1からの
 三番手勝負を一年生ペア谷岡・高塚みなみが3年生ペアである豊田・斉藤をファイナルゲーム
 ながら4−3で退け、
準々決勝へと進んだ。

  準々決勝は、今大会優勝候補で、奈良県の名門・大和高田市立片塩中学校の対戦となった
 が、、新子舞、瀧井ゆかり、水原佐起子、西村明子、森岡真由、久保瑠那、斉藤理沙、佐藤弘
 子と、当時の中学生スター選手(佐藤以外は3年生)をずらりと揃え、下馬評は当然のことなが
 ら圧倒的に片塩中が優位であった。

  試合が始まると第一ゲーム、大将同士の戦いとなった渡辺・高塚対水原・西村(個人戦五位)
 はファイナルゲームにもつれ込んだものの地力に勝る片塩中がスコア1−6でマッチポイントを
 握り、静内第三中学校は絶体絶命のピンチとなった。

  しかし、ここから渡辺は驚異的な粘りを見せ、一ポイントずつを挽回していき、結局は7ポイ
 ント連続で渡辺・高塚が奪取し、試合は、8−6で第七ゲームをものにし奇跡の逆転勝ちとな
 った。
   このゲームを皆が固唾を呑んで見守っていたが、神ががり的でドラマチックなこの試合展開
 は一体何なのだろうと思ったが、数カ月前に亡くなったばかりの渡辺のお母さんのことを思い
 出し、お母さんっ子だった渡辺のお母さんが、きっとみっこ(渡辺未来子)を守ってくれたのだ
 と思うしかなかった。その晩の父兄の反省会席上でも同じ意見が多数をしめた。

  続く、準々決勝・第二試合は1年生の谷岡・高塚が片塩の3年生新子・瀧井と対戦した。相手
 は時のスター選手で、まともではとても勝てる相手ではないのだが、第一ゲームの動揺、余韻
 があったのか、谷岡ペアは粘り強くボールを拾いまくり、相手のミスを誘う展開ともなり、終わっ
 てみると谷岡・高塚が4−1で勝利した。この時、片塩サイドのスタンドで応援をしていたが、ま
 さかの敗戦に、父兄たちは放心状態で誰かが声を振り絞るように関西弁で「勝負はやってみな
 ぁー、分からんもんだ」と呟いたのを覚えている。それ程、この試合の静内第三中学校選手の
 プレーは素晴らしかった。

  準決勝は、これまた名門の九州・佐賀県の嬉野中との対戦となつたが、渡辺・高塚は勝利し
 たものの谷岡・高塚が井上・一之瀬、藤田・三宅が井上・青木にそれぞれ敗れたものの、堂々
 の三位入賞となった。



 一・二年生チームながら団体戦で堂々の三位入賞を果たした静内第三中学校(北海道)。後列左から三番目がエース渡辺     

    
     北海道男子チームは、団体戦に札幌市新川中が出場したが一回戦負け。個人戦出場選手と共に記念撮影

     
     団体戦一回戦、関東/埼玉代表・大相模戦。大将渡辺・高塚さやかが4−0で一蹴

     
     団体戦一回戦、関東/埼玉代表・大相模戦。二番手藤田・小池0−4と敗れる

   
   
 団体戦一回戦、関東/埼玉代表・大相模中。三番手谷岡・高塚みなみが豊田・斉藤に4−3の接戦ながら勝利

   
    
二回戦、近畿/奈良の名門・片塩中。渡辺・高塚が絶体絶命のファイナルゲーム1−6から奇跡の大逆転で水原・西村に4−3で勝利


    

    トピックス  

     藤田・谷本  1−C 竹内・斎藤
   滝本・高塚さ C−3 新関・久保
    谷岡・渡辺  C−3 水原・瀧井   
         
              

   
不思議な縁
     
上記のスコアに覚えはないでしょうか?。そうです平成14年・水戸市で開催の高校総体(イン
    ターハイ)の決勝戦、札幌龍谷学園高校VS奈良県大和市立高田商業高校のものです。
     この全中新潟大会の準々決勝で対戦した奈良県大和市立片塩中学校選手の内、瀧井ゆかり、
    水原佐起子、斉藤理沙の3名とは、三年後のインターハイ団体戦決勝で再び、静内第三中学校
    出身の藤田悠、高塚さやか、谷岡布美の3名と対戦、今度も北海道(静内町)勢が勝利していま
    す。
     また、決勝戦には出場はしていないものの高校総体で奈良は新子舞、北海道は高塚みなみが
    それぞれ出場しています。選手たちは当然のことながら三年前の対戦を覚えている筈で、この対
    決の裏にはこの大会の微妙なニュアンスが勝敗を左右したと思うと大変興味深い話です。
      なお、この大会で高田商業のエースとして出場した竹内志津は、石川県能都町鵜川中学校の
    選手として個人戦で出場し、優勝候補として名が挙がっていたが、二回戦で敗れてしまった。
     ちなみに、大阪・淀之水高の草野尚美は東北・山形県南陽市漆山中の選手として、広島・立志
    館広島の長奈津子も東京都・羽村市羽村中の選手(それぞれ3年生)として出場し草野は三位、
    長は五位入賞を果たしています。