第57回国民体育大会
少年女子ソフトテニス

    
2002.10.27〜28日 (高知県高知市・東部総合運動場テニスコート)
  
 
   
主催:(財)日本体育協会・文部科学省・高知県
      (財)日本ソフトテニス連盟・高知市


 第二試合、長崎県戦、試合開始前の挨拶に向かう北海道チーム(中央)


 試合会場の第1コートから第8コート側。隣りあわせにもう8コートが有り、全16コート


 眩ゆい朝日を受け、準決勝の対大阪府戦がスタート


 今大会、少し太めの谷岡。調子は下降気味で身体の動き、ボール共にキレがなく騙し、騙しのテニス




  「いしん前進」をスローガンにした第57回国民体育大会秋季大会開会式(よさこい
 高知国体)が10月26日、高知県立春野運動公園陸上競技場で行われ、北海道選手団
 の旗手を札幌龍谷学園高校ソフトテニス部キャプテン谷本美貴(3年)が務め、約250名
 の選手団の先頭で北海道旗を持ち、堂々の入場を果たした。
  旗手を女性が担当するのは珍しいが夏の高校総体を制したことから、札幌龍谷学園高
 校に白羽の矢が立ち、キャプテンである谷本が選ばれた。

  

 開会式で威風堂々の旗手を務めた谷本主将。北海道テニス界にとっては実に晴れがましいことだ



北海道(札幌龍谷)健闘、第4位

  秋季国体ソフトテニス競技・少年女子は、10月26日〜27日の二日間、高知市東部総
合運動公園テニスコートで開催された。
出場チームは少年男子16チーム、少年女子47チ
ーム、成年男子24チーム、成年女子24チームで、競技人口そのままに少年女子が圧倒的
に多く、チーム数が47都道府県となった。

国体、北海道チームは、6月日、札幌市で行われた予選の優勝から第三位までの順位のと
おり、滝本・高塚さやか、谷岡・高塚みなみ、藤田・谷本の3チーム全てが札幌龍谷学園高
校選手で構成された。


 会場となった高知市は大会が始まった26日から急激に気温が下がり非常に肌寒く、また、
強風が吹き荒れ、雨天にはならなかったものの、選手は季節外れの寒さと強風に戸惑いなが
らのプレーとなった。

しかし、ベスト4に勝ち上がったのは夏のインターハイ成績のほぼそのままに、奈良県
(高田商業)、大阪府(淀の水高校)、北海道(札幌龍谷学園高校)、群馬県(高崎健康福
祉大高校)で、強豪勢がひしめいたが、結果は夏の悔しさをバネに大会に望んだ奈良県が優
勝した。

北海道チームは、比較的対戦相手に恵まれた組み合わせとなったが、準決勝で大阪府に2
:0、3〜4位決定戦でも同じく2:0でストレート負けをし、4位にとどまり二大大会二
連覇、国体初優勝の夢は叶わなかった。

チーム戦力としては、インターハイと同じメンバーが揃い、国体直前も前衛と後衛の連携
を主とした道外合宿を神奈川、神戸、岡山等で組み、強化を図ったが、夏と比較し一度頂点
を極めた後となる選手のモチベーション、全選手が下降気味の体調と調子、主力選手である
前衛・谷本の膝、後衛・滝本の肩のケガ等が重なり、とても連覇を狙える条件下ではなく、
「4位という順位には満足しているが、試合内容には満足していない」という藤堂監督のコ
メントが全てを物語っており、むしろ騙し、騙しでよくここまでの成績を残したというのが、
妥当な見方と思う。

とくにチームの大黒柱である滝本の肩の調子は最悪で、痛み止めの注射をうち、尚且つ試
合毎に痛み止めの薬を飲むといった状況。監督も試合前から「だめです」とはっきりと明言
するほどであったが、試合が始まると肩をかばうどころか力いっぱいラケットを振り回し、
そんな素振りを微塵も見せず、高校生活最後の試合に全力でプレーする滝本の後姿に感動し
たのは私だけではなかったと思う。

反面、それを見て発奮しなければならない2年以下の下級生に元気がなかったのは残念で
あった。しかし、幸い主力で抜ける3年生は滝本、谷本の二人だけであり、レギュラー4人
が1・2年生であるため、この敗北を糧にまた、来年以降、二冠、三冠目指して頑張って欲
しいものである。

一方、優勝した奈良県(高田商業)は、今回、打倒札幌龍谷を合言葉に猛烈な練習をこな
してきたと聞いたが、夏のリベンジを果たし頂点に立ったのは見事であり、流石に一流校の
証であった。

 試合後の報道に対するインタビューで「札幌龍谷を倒して一番に成りたかったが、準決勝
で負けてしまって…」とコメントしていたのは、札幌龍谷からすると皮肉にも聞こえるが、
負けてしまっては何も言えず、その栄誉と健闘に心から拍手を贈りたい。


 テニス競技開始式で入場する北海道選手団中段で笑顔を行進する札幌龍谷学園高校選手6名