高等学校女子、ソフトテニス3大タイトルの一つ、第29回全日本高等学校選抜ソフトテニス大
会は、3月29日〜30日、今年も愛知県名古屋市総合体育館・レインボーホールを会場に開催
されました。
札幌龍谷学園高校は、昨年は決勝戦で立志館広島に惜敗しましたが、3月24日開催の第38
回全日本私立高等学校選抜大会・団体戦優勝の余勢をかって、平成9年、第23回選抜大会
に引き続き、二回目の優勝を狙いましたが、準決勝で優勝した岡山県・就実高校と対戦、大接
戦となりましたが、惜しくも1−2で惜敗いたしました。
これまで全国から寄せられました、大変多くの皆様方からのご声援に厚くお礼を申し上げます。
試合会場の名古屋レインボーホール
開会式で入場する札幌龍谷学園高等学校
前列左から高塚、佐々木、渡辺、谷岡、後列左から谷本、名和、伊藤、小沼、藤堂監督
3位入賞の札幌龍谷。右から一人置いて藤堂監督、谷岡、渡辺、谷本、高塚み、伊藤、佐々木、小沼
(高塚氏提供)
札幌龍谷学園高校の看板、谷岡・渡辺ペア
今大会、大将としての役目を果たせなかった谷岡、この借りはインターハイでリベンジだ
就実高校(岡山県)
立志館広島高校(広島県)
札幌龍谷学園高校(北海道)
文化女子大杉並高校(東京都)
三重高校(三重県)
高田商業高校(奈良県)
和歌山北高校(和歌山県)
岡山理大付属高校(岡山県)
正直言って、今大会は札幌龍谷が優勝すると信じていたし、どこにも負けるとは思っていなかった。
理由は、他校と比較して三本揃っているからである。
特に後衛は、昨年のインターハイ・レギュラーであった谷岡、伊藤、佐々木がそのまま残っており、こ
れまでのキャリア、実績があること。そして昨年の選抜でも決勝戦まで勝ち上がっていること。調整も絶
好調とまではいかないものの、そこそこに仕上がっていたこと。更に前哨戦であり直前に行われた私学
選抜大会でも優勝していることなどからである。
しかし、準優勝決勝戦でこれまで近年の団体戦では負けたことのなかった岡山・就実高校に敗れた。
就実高校は杉本・大庭、小野・篠埜の二本が揃っていて確かに実力校ではあるが、少々、三番手との力
量に差があるので、結局は誰かが負けたとしても、谷岡・渡辺、伊藤・谷本、佐々木・高塚の内、残り二
本が勝ち最後は2−1で勝てる確率が高く、事実昨年の国民体育大会、今年の私学大会でもそのとおり
となり勝利している。
では、なぜ負けたのだろうか?。一つの原因として第一シード、インターハイV2、昨年二位、私学優勝
など常勝軍団につきもののの重圧、プレッシャーと思う。言い方を代えれば、相手に負けたのではなく、
選手たちは自分自身に負けたということになる。実際、一週間前の全日本私立高校選抜大会では伸び
伸びとプレーし優勝しており、どう考えてもこの一週間で調子を落としたとは思えない。
また、それ以外にエース谷岡・渡辺の今大会の出来は本来のものとは程遠く、いつもの攻めるプレーが
出来てはいなかった。特に谷岡はその要因をここでは書くことは出来ないが、全日本私立高校選抜大会
時から調子が下降線で、とうとう調子が上がらないまま大会が終了してしまった。しかし、大将はそれでは
だめで、どんな時でもそこそこに戦わなければならず、今後、その厳しさとも戦っていかなければならない。
一方、他校では大体、私の予想どおり、もう一つの山では立志館広島、文化女子大杉並が勝ち上がっ
てきたし、4強の内、3校までが順当に顔を並べた。
立志館広島はスター選手がいないものの、必ず決勝戦まで上がってくるのはまさに伝統校の底力とい
うべきで流石である。文化女子大杉並も力がある選手が三本そろっており、本来であれば、まだまだ結
果を残してよいチームであるが、ここも色々とチーム内事情があるようで惜しい気がする。和歌山・信愛
女短大付は、昨年のように力がある選手が揃ってはおらず、迫力を感じなかった。
さて、夏のインターハイであるがやはり、札幌龍谷学園高校が優勝候補の筆頭であることに違いはなく、
立志館広島、就実高校、文化女子大杉並が後を追うパターンになると予想される。札幌龍谷学園高校も
このままでは終わるはずがなく、猛練習でV3という目標に向かって努力する筈である。
頑張れ!、札幌龍谷学園高校。
4強は、シードされたとおりの文化女子大杉並(東京都)、信愛女短大付(和歌山県)、札幌龍谷
学園高校(北海道)、立志館広島(広島県)で、決勝戦は文化女子大杉並と札幌龍谷学園高校の
戦いになると思われるが、慣れ親しんだインドアでの大会、V2メンバー5人が残っていること、団
体戦にはめっぽう強いチームカラーなどから、札幌龍谷学園高校が一歩リードと見る。
これに杉本・大庭、小野・篠埜と四人のジュニアナショナルメンバーを擁する岡山・就実高校、上
原・工藤、河原・田岡の埼玉・上尾高校が追う展開と予想されるが、今の2年生は後衛の当たり年
で名選手が多く、粒が揃っており、好試合と熱戦が予想される。
一つ目の山は、札幌龍谷学園高校と信愛女短大付が双璧となるが、札幌龍谷学園高校サイド
から眺めて見ると、二回戦で上尾高校、三回戦では高田商業か豊橋中央の勝者。そして、準決勝
は就実高校、信愛女短大付の勝者と当たることになる。
反対の山には、立志館広島、文化女子大杉並、嬉野、奈良育英がいるので、その意味ではやり
やすい組合せにも見えるが、簡単には勝たせてくれないのが、全国大会。油断は禁物。
もう一つの北海道代表、札幌市のとわの森三愛は、一回戦でいきなり優勝候補の文化女子大杉
並が相手ではもついていないというか、気の毒なドローなった。
いずれにしても、新チームを占う意味で各チームの力量と体制が判明する今大会が待ち遠しい。
○文化女子大杉並〜二月、高松市で開催の第2回アゼリアカップで予想どおり勝者となった。現在
の安定したチーム力をそのままに、力むことなく淡々とゲーム展開、優勝した。
元々、全国中学校ソフトテニス大会で活躍した羽村二中(東京都)の選手など
を集め底力があったチームではあるが、故障が癒えた新田が本来のペア高橋
と組むようになった昨秋から頭角を現し始め、今現在、三本が揃った最強チー
ムと言える。
エースの新田・高橋に加え、今まで実力がありながら弱気のプレーと言われて
きた二番手の藪・安部が自信をつけており、チームに上手く絡んでいるのが大
きいが、接戦には勝てなかった今までのチームカラーを今回、打破できるかが
最大のポイント。
○信愛女短大付 〜昨年メンバーの内、主力の中野、田ノ岡が抜けたが吉井、柴崎の二人が残り、
全国中学校ソフトテニス大会で活躍の中川を加えた新メンバーを編成しているが、
流石に伝統チームだけあり、林監督のもとに、まとまったチームに仕上がってお
り、侮れない。
○立志館広島 〜田畑・加藤、笹内などのジュニアナショナルメンバーを含めた主力がそっくり抜け
たものの、全国中学校ソフトテニス大会個人戦優勝の中川など、新メンバーで
アゼリアカップの準決勝まで上がってきたが、印象としては昨年チームと比較し
小粒というかスケールが小さくなった印象を受ける。
○龍谷学園高校 〜インターハイV2メンバーの内、谷岡、渡辺、伊藤、高塚、佐々木と5人が残った。
エース、谷岡・渡辺は今年に入ってからも安定しており、特に渡辺はジュニアナ
ショナルメンバーに選ばれ気分を良くしている。
伊藤・高塚、佐々木・小沼は、たまたまアゼリアカップ戦では調子を落としていた
ため、不覚をとったが、強打の伊藤、佐々木の後衛陣と堅実なプレー身上の前
衛の高塚、小沼とも実績があるので問題ない。
何よりも高校総体V2という実績からくる自信、接戦となっても負けない精神力、
そして、競り合えば競り合うほど相手に与える威圧感は大きなものがあり、V2
主力メンバーがそのまま揃った今回は当然、優勝候補の一角であり、実力さえ
出し切れば勝てるだろう。
○就実高等学校 〜主力である杉本・大庭、小野・篠埜がそっくり残り、有力候補であることには違い
ない。チームがうまく波に乗れば実力、実績とも文句なしなので怖い存在。
○上尾高等学校 〜上原・工藤、河原・田岡と底力がある選手が揃っているものの、レギュラーと三
番手に差がある。何が起こるか分からない全国クラスの大会は三本揃っていな
いと中々、勝てないことが多いので優勝するには少々、力不足か。
○嬉野高等学校 〜インターハイ個人戦チャンピョンでエースの井上・橋爪を擁する嬉野もダークホー
ス的存在ではあるが、ここも三本揃いではなく、頂上に立つには苦しいと思われ
る。