2001(平成13年)・春
     




この時間の生花苗沼は鳥の気配がまったくない(海岸寄り)


沼中央部にカモが数十羽


湿原たるロケーションは北海道の原風景


ようやく牧草地にマガンを発見。数は少ない


牧草地に舞い降りるマガン


生花苗沼に生息するタンチョウ。マコモが群生している

   

餌を求め移動するタンチョウ(生花苗沼)


釣り人が寒そうに釣り糸を


名前は知らないが可憐なのでパチリ(花の名前を知っている方教えて下さい)


何故か野鳥も人も不在の長節湖


風景が涌洞沼とそつくりの長節湖


マガンのねぐら発見(生花苗沼)


写真で見ると明るいが実際には辺りは真暗闇

 (写真は全て5月3日撮影)





 ●5月3日(金) 曇り後雨 1028hpa(浦幌町)
              
 
4月29日に浦河町の野鳥仲間より大樹町生花苗沼付近で約1000羽のガ
           ンを確認したとの情報が入り、急遽、マガン観察を目的に浦幌町へと出か
           ける。時期的には既にシーズン終了と思っていたが、1000羽とは程遠いも
           のの約250羽のマガンを確認した。

                ※この数日間に既に他の地域へと移動したか、渡りのため国内からは渡去
            したかのどちらかと思われる。また、お目当ての標識鳥は残念ながら1
            羽も確認出来なかった。

                ※生花苗沼は午前、午後、夕方と日に三回にわたり調査したが、昼間はほ
            とんど野鳥の姿を確認出来なかった。しかし、夕方近くになってからは
            様相が一変、多くのガンカモ類がここをねぐらとして利用していること
            が分かった。

                ※生花苗沼の環境は、典型的な湿原沼で適度の水深と併せ、豊富なマコモ
            や水草が群生し、オオハクチョウ、マガンをはじめとするガンカモ類に
            は採食地としても適当な場所であることが分かった。また、マコモはか
            なりが食された跡があり、4月中などは数多くのオオハクチョウがここ
            に集結、採食活動を行っていたものと思われる。

                ※時節柄、冬鳥というよりも既に季節は夏鳥のシーズンで沼の周辺にはヒ
            タキ科、ムシクイ類など多くの夏鳥たちが元気に飛び交う姿を確認した。

               ※浦幌町も一通り観察したが、既にシーズンオフで三日月沼をはじめ豊北、
             共栄、吉野などでも一羽もガン類の姿を確認することが出来なかった。
           ※4月22日には同沼で2,200羽が確認されている。(提供/幕別町越智氏)

                1030〜天気予報に反し小雨降る中、生花苗沼に到着。生花苗沼川流入口
               (ねぐらとして使用箇所)近くにいたオオハクチョウ
12羽が北東
               方向へと飛び立つ。また、湿原地帯でタンチョウ一羽を確認。

                1110〜沼のボート乗り場付近では、若者たちが水上バイクを楽しんでお
               り、ここは野鳥の楽園という自分のイメージと相違し少々ががっ
               かり。

                1140〜突然、大樹町営晩成牧場上空でガンの乱舞する姿とガン独特の鳴
               き声がしたため、現地へと向かう

                 12
10〜この時間まで広大な敷地の大樹町営晩成牧場をくまなく探索する
               が、残念ながらガンの姿は確認できず。

                1230〜生花苗沼北西部にある牧草地でマガン約150羽を確認。標識鳥は
               含まれておらず。

                1250〜牧草地にマガン約100羽が飛来し合流する。その数合わせて250
               羽となる。

                1330〜豊北、共栄、吉野、愛牛などを浦幌町各地を調査するがど
               
ガンの姿は見えず。周辺では
でに畑を起こした後で、ガンが採
               食できるような環境も少なくなり越冬というよりも春の耕作時期
               という印象。既にシーズンは終了。また、日月沼にもガン類は
            
   一羽もおらず。
                1500〜再び三日月沼を調査するもガン類の姿なし。
                1520〜再び生花苗沼北西部にある牧草地を調査、到着時はガンの姿がな
               かったが、生花苗沼方向よりマガンが5〜6の群に分かれて渡来、
               一群は牧草地上空を北方向へとそのまま編隊を組み通過。約半数が
               牧草地に着陸する。約
150羽を確認。標識鳥はいない。
                1540〜生花苗沼川流入口付近の湿原地帯でタンチョウ2羽を確認。よく
               見ると、ここはタンチョウが生息するには最高の環境下である。

                1550〜再度、大樹町営晩成牧場を調査するが夏鳥が頻繁に往来するもの
               のガン類は未確認。

                1615〜生花苗沼周辺道路でオオワシ幼鳥一羽が枝に止まっているのを発
               見。更にオオワシ成鳥一羽も沼中央部へと飛び去る。この時期ま
               で残留していることに驚く。採食活動を含め、余程、生息環境に
               優れているのだろう。

                      また、生花苗沼川流入口付近では、昼間とは違い多くのカモがね
               ぐら入りのために集結し数百羽を確認出来た。

                1640〜海岸線では大樹町生花地区と横並びに位置し、周囲に数湖点在す
               る沼の中で最大の湖水面積を誇る豊頃町湧洞沼へ観察場所をと移
               す。

                      数年前秋に来た時と比較し、沼の水量が減少しており、多くの場
               所が広大な干潟地域を形勢していることにびっくり。
これは春季
               と秋季の相違点なのか。或いは干潮、満潮の差なのか。それとも
               水位自体が減少傾向にあるのか。
               
ンチョウ三羽、ソリハシシギ2羽など、思いもよらず数種類の
               シギの姿と可愛らしい鳴き声を聴くことことが出来き、心が癒さ
               れる気がした

                1710沼周遊道路の行き止まり地点で数人の釣り人がおり、何が釣れる
               のかと尋ねると、この沼は海と続いている汽水湖であるためカ
               イ(鰈)
が釣れ、ここの水はしょっぱいと聞き驚く。ということ
               はコクガンを除きガンたちが生息する可能性は低いということに
               なる。

                1731〜今度は、更に東に位置する豊頃町長節湖に観察場所を移動。ここ
               は湧洞沼とよく似た地形ではあるが、湧洞沼では見かけたキャン
               パーや釣人が一人もおらず、また野たちの気もまるでなく、
               夏あれほど多くのキャンプや海水浴客で賑わうのとは裏腹に人も
               鳥もいない寂しげな場所であった。

                1800〜この日、三度目の生花苗沼北西部にある牧草地に到着。マガン約
                      140
羽を確認。30羽は直ぐに生花苗沼へと飛び立ち、残り104羽を
               確認。ねぐら入り直前のため、例により食欲旺盛な採食ぶりを見
               せられ、冬季間の越冬風景を思い出し懐かしい気がした。人為的
               ストレスをかけないよう観察を終了し、沼でねぐら入りを待つこ
               とにする。

                1831〜思惑とおり、幾つかの群となりガンたちが沼へと着水、その数約
               
250羽。また、オオハクチョウは12羽(J6・A6)の一集団と
               2羽の成鳥とで合計
14羽。カモはコガモが一番多く、その次にオ
               ナガガモ、そしてマガモといった構成で約
300羽を確認。タンチョ
               ウ3羽も確認。

                      また、ねぐら場所は生花苗沼川流入口付近に皆が一塊となりねぐ
               らを形成していた。

                1900〜本日の観察を終え生花苗沼を出発。静内町へと向かう。